2008年 2月 の記事

GDCにて

XNAの今後に関する発表があり
喜ばしいことにXBOX Live Arcadeでの配信が可能になる準備が
進められているという発表がありました。
(公式のプレスリリースは下記URLより参照できます
 
こびとスタジオとしての活動を開始してから
とにかく今現在で出来ることを…
ということで出来る限り作るだけ作ってはきましたが
やはり遊んでもらうための敷居がどうしても高いということは
制作メンバー全員の共通認識として常に持っていたのも事実です。
 
そういう経緯もあるので今回の発表は
XBOX360実機上で多くの人に手軽に遊んでもらう
という面で非常に大きな発表になったと思います。
 
で、今のところのビジョンとしては
アップが国内から可能になったタイミングで既にXNA2.0対応作業が完了している2タイトル
・エレメントアンサンブルアナザー フォーミュラーフォース
・ファニーダンシング(2008/2/10版)
をアップ・コミュニティによる評価が出来る状態にして
評価がされた後に無償による一般ユーザーへの配信が
出来るような形を取りたいと考えています。
 

XNA2.0への対応に関するお知らせ

XNA2.0が発表されてから順次対応してきますと書いたのですが
これについての対応状況に関するお知らせをします。
 
まず対応状況について
作業的には以下の2タイトルが2.0対応ができています。
・エレメントアンサンブルアナザーフォーミュラーフォース
・ファニーダンシング
以上のタイトルについては時期を見てリリースいたします。
 
それ以外の過去タイトルの2.0対応について順次対応予定だったのですがこれについては今後の
制作予定の都合などにより2.0対応作業を施す時間を確保するのが難しい状況であるため
過去タイトルの2.0対応については予定をキャンセルいたします。

ファニーダンシングについて思うこと 最終回

今回のテーマ
「映像作品としての棲み分け」

今回の話はXNAとは直接関わりは無い話になってしまうのですが…
既に公開している通りでファニーダンシングの動作映像をYouTubeとニコニコ動画にアップしてあります。
実はこの動画というのは頒布するディスクに収録されている物と内容としては同一の物だったりします。
ここで頒布物と同じ物を事前に公開するのはどういうことだ?
という話になるのが一般的な話になってしまうのですが
これは、ここ数年、インターネットでの動画配信が問題になっていることに対する
個人としてのメッセージの意味を込めてこのような形にしております。
特に最近、動画配信サービスについての苦情や地上波放送における
収益面や権利的な部分の歪みを公の場で発言して話題になっているのをよく目にします。
確かにどの話も一理あって簡単に結論は出せる話ではないのですが
少なくとも技術革新のスピードは常に予想を超える早さで進んでおり
時代に合わせて立ち振る舞いは変えていかないとこの世界は生きてはいけない
というのが持論として持っている部分でもあります。
なにより、一番に目を向けなければいけない「楽しんでもらう人」という存在を
軽視してはいないだろうか?という気がしてなりません。
特にファニーダンシングみたいなタイプのコンテンツはかなり特殊であるので
まず、多くの人に見てもらってからがスタートできるものだと考えています。
そこで、両立できる方法の一つとして動画配信サービスを利用して低画質だけど
一通り見れる。それに対してパッケージではやれること・遊べることが増えていたり
品質を上げたりすることによって棲み分けは出来ないものか?
という考えからこのような形を取ることにしました。

最後に…

これまで4回に分けて「ファニーダンシングについて思うこと」として書いてきましたが
今回のソフトはゲームハードで動作するコンテンツという側面。
アニメーション・映像としての側面で今、思っていることを全て
詰め込むことが出来たと思っています。
いよいよ、明日、コミティアで頒布いたします。
当日、会場ではPSPによる動画デモも予定しています。
願わくば、多くの人に見ていって、楽しんでもらえればと思います。

ファニーダンシングについて思うこと 第3回

今回のテーマは
「XNAを使って幅広く楽しんでもらうには?」です。

残念ながらXNAというゲームプラットホームは遊ぶ立場の人から見て
遊ぶところにすら辿りつくのが難しい現状があります。
まず、Windows用に関してはグラフィックカードのスペックが
シェーダーモデル1.1がXNAの要求する最低スペックであること。
これはWindowsVistaとまではいかないものの、それに近いほどのスペックを要求されていることになります。
次に、XBOX360用に関してはCreator’sClubのライセンスを取得する必要があること。
XNA/.NET Frameworkが下の層あるとは言えハードウェアの性能をある程度生かして
物が作れてしまう環境である以上、何の制限もなしに動いてしまうと
製品を作っているところの立場がありませんし当然、苦情も殺到するでしょう。
ですが、Creator’sClubの敷居は単純に遊ぶことだけを考えると、とんでもなく割高です。
これはクレッシェンドシンフォニーを作ったときからサークル内で問題視されていたのは事実で
何とかするには結局マイクロソフトさんにある程度の規制緩和を
してもらうしかないのではないか?という状態でした。
そうした中で「ファニーダンシング」の企画が立ち上がり
これならば映像・音楽作品としての扱いになるため、制限はあるものの
操作できない・操作しない人向けに楽しめる要素を組み込んで
XNAであることによる最大の弱点である多くの人が楽しめない
という部分を解決する答えのうちの一つとしてこのような形でリリースすることになりました。

(続きます)

ファニーダンシングについて思うこと 第2回

今回のテーマは「楽しみ方の多様化」です
 
今現在のゲームソフトの事情は目まぐるしい変化が起きている中にいて
1年単位もしくはそれ以下のスパンで遊び方のトレンドが
変化してきている状況にあると思っています。
具体的な例を出すと、コアゲーマー向けにチューンされた高難易度のゲームから
ライト層向けの軽いゲーム、さらには学校教材などから発展したシリアスゲーム。
ゲームプラットホーム上で動作するゲームではないコンテンツ…
と、大まかに挙げただけでもこれくらいの分類ができてしまう状況です。
さらに、今から1年経ったらどのようになっているか、もはや想像つきません。
このような状況下の中で、どれか一つに絞って作るのもいいのですが
一つのコンテンツ・パッケージで使用するハードウェアを飛び越えるレベルで
様々な楽しみ方を選ぶことができるものがあってもいいのではないだろうか?
という事を考えるようになり、同人でかつ人員的な部分でのリソースを
最大限かけないで実現する方法はないだろうか?と常々模索をしてきた結果、
今回のファニーダンシングというコンテンツの制作へと結びついたのです。
 
(続きます)
 

ファニーダンシングについて思うこと 第1回

今回のテーマ
「ゲーム要素を完全に捨てた理由」

今回のファニーダンシングは既に告知済みの通りゲームソフトではありません。

もしファニーダンシングにゲーム要素を取り入れる場合
お手本となるダンスパターンがあり、それになぞって操作をすること。
さらにタイミングに合わせて高得点を狙うというゲームが
定番に近いルールとなると考えていますし、こうすべきだろうと思う人は多いかと思います。

このルールはいわゆる音ゲーと呼ばれるジャンルに分類される訳ですが
個人的に思うところとして音ゲーは本当に音楽を楽しめるのか?という疑問を持っている点があります。
音ゲーはスコア狙いや高難易度譜面の攻略という方向へどうしても行ってしまい
この次元まで行ってしまうと音楽を楽しむ事が無くなってしまうのではないか?と思っています。

それならば、映像や音楽を楽しむ為に足かせとなる要素や
操作する人がストレスに感じてしまいそうな要素は全て捨てて
ゲームプラットホーム上で操作して楽しめるけど映像・音楽コンテンツとして
操作しても楽しめる。それを見てる人も楽しめる。ということを目指す為に
ゲームという要素を捨てることにしました。

 
(続きます)
 

新作発表

昨年11月より制作していたタイトルがようやくできる状態になりました。
新作タイトルはダンスアクション「ファニーダンシング」というタイトルで
2月10日のコミティアにて頒布いたします。
 
画面はこのような感じです。
 
 
今回はジャンルとしてはかなり特殊で
XBOX360/Windows上で動作するものではあるものではありますが
ゲームソフトではなく、操作可能な映像・音楽コンテンツという位置づけになります。
 
操作して映像として楽しめる、音楽として楽しめるもの
ということを純粋に楽しめることをコンセプトに制作しました。
 
また、パッケージ構成ですが今回はこのような形になります
・WindowsXP/Vista/XBOX360向けソフトウェア
・ハイビジョンムービー(WindowsMedia形式)
・使用楽曲(2トラック。CD-DAとしてトラック2,3に収録)
 
なぜ、今回はこのような形のソフトになったのか?
という部分について、数回に分けて説明していきたいと思います。
 
(続きます)