2008年 2月 の記事
今回のテーマ
「映像作品としての棲み分け」
今回の話はXNAとは直接関わりは無い話になってしまうのですが…
既に公開している通りでファニーダンシングの動作映像をYouTubeとニコニコ動画にアップしてあります。
実はこの動画というのは頒布するディスクに収録されている物と内容としては同一の物だったりします。
ここで頒布物と同じ物を事前に公開するのはどういうことだ?
という話になるのが一般的な話になってしまうのですが
これは、ここ数年、インターネットでの動画配信が問題になっていることに対する
個人としてのメッセージの意味を込めてこのような形にしております。
特に最近、動画配信サービスについての苦情や地上波放送における
収益面や権利的な部分の歪みを公の場で発言して話題になっているのをよく目にします。
確かにどの話も一理あって簡単に結論は出せる話ではないのですが
少なくとも技術革新のスピードは常に予想を超える早さで進んでおり
時代に合わせて立ち振る舞いは変えていかないとこの世界は生きてはいけない
というのが持論として持っている部分でもあります。
なにより、一番に目を向けなければいけない「楽しんでもらう人」という存在を
軽視してはいないだろうか?という気がしてなりません。
特にファニーダンシングみたいなタイプのコンテンツはかなり特殊であるので
まず、多くの人に見てもらってからがスタートできるものだと考えています。
そこで、両立できる方法の一つとして動画配信サービスを利用して低画質だけど
一通り見れる。それに対してパッケージではやれること・遊べることが増えていたり
品質を上げたりすることによって棲み分けは出来ないものか?
という考えからこのような形を取ることにしました。
最後に…
これまで4回に分けて「ファニーダンシングについて思うこと」として書いてきましたが
今回のソフトはゲームハードで動作するコンテンツという側面。
アニメーション・映像としての側面で今、思っていることを全て
詰め込むことが出来たと思っています。
いよいよ、明日、コミティアで頒布いたします。
当日、会場ではPSPによる動画デモも予定しています。
願わくば、多くの人に見ていって、楽しんでもらえればと思います。
今回のテーマは
「XNAを使って幅広く楽しんでもらうには?」です。
残念ながらXNAというゲームプラットホームは遊ぶ立場の人から見て
遊ぶところにすら辿りつくのが難しい現状があります。
まず、Windows用に関してはグラフィックカードのスペックが
シェーダーモデル1.1がXNAの要求する最低スペックであること。
これはWindowsVistaとまではいかないものの、それに近いほどのスペックを要求されていることになります。
次に、XBOX360用に関してはCreator’sClubのライセンスを取得する必要があること。
XNA/.NET Frameworkが下の層あるとは言えハードウェアの性能をある程度生かして
物が作れてしまう環境である以上、何の制限もなしに動いてしまうと
製品を作っているところの立場がありませんし当然、苦情も殺到するでしょう。
ですが、Creator’sClubの敷居は単純に遊ぶことだけを考えると、とんでもなく割高です。
これはクレッシェンドシンフォニーを作ったときからサークル内で問題視されていたのは事実で
何とかするには結局マイクロソフトさんにある程度の規制緩和を
してもらうしかないのではないか?という状態でした。
そうした中で「ファニーダンシング」の企画が立ち上がり
これならば映像・音楽作品としての扱いになるため、制限はあるものの
操作できない・操作しない人向けに楽しめる要素を組み込んで
XNAであることによる最大の弱点である多くの人が楽しめない
という部分を解決する答えのうちの一つとしてこのような形でリリースすることになりました。
(続きます)
今回のファニーダンシングは既に告知済みの通りゲームソフトではありません。
もしファニーダンシングにゲーム要素を取り入れる場合
お手本となるダンスパターンがあり、それになぞって操作をすること。
さらにタイミングに合わせて高得点を狙うというゲームが
定番に近いルールとなると考えていますし、こうすべきだろうと思う人は多いかと思います。
このルールはいわゆる音ゲーと呼ばれるジャンルに分類される訳ですが
個人的に思うところとして音ゲーは本当に音楽を楽しめるのか?という疑問を持っている点があります。
音ゲーはスコア狙いや高難易度譜面の攻略という方向へどうしても行ってしまい
この次元まで行ってしまうと音楽を楽しむ事が無くなってしまうのではないか?と思っています。
それならば、映像や音楽を楽しむ為に足かせとなる要素や
操作する人がストレスに感じてしまいそうな要素は全て捨てて
ゲームプラットホーム上で操作して楽しめるけど映像・音楽コンテンツとして
操作しても楽しめる。それを見てる人も楽しめる。ということを目指す為に
ゲームという要素を捨てることにしました。